開業資金と融資対策

日本政策金融公庫で資金調達について

前述の通り、日本政策金融公庫は国の金融融資機関であり、比較的融資が通りやすく、金利も低い上に返済期間に余裕を持たしてくれます。
最適な方としては、実績が無くこれから飲食店を開業しようしている人が向いているでしょう。

保証人について

当然のことながら融資を受ける上で保証人は必ず必要とします。しかしながらお願いできる人を探すことが最も困難なことでしょう。
そんな時に是非知って得する情報として無担保・無保証人で利用できる「新創業融資制度」というものがあります。これから新たに事業を始める方や事業開始後税務申告を2期終えてない方が対象となります。ただし、基本的に創業時に創業資金の1/10以上を自己資金として準備出来ていることが条件となります。
融資限度額は3,000万円、その内1,500万円を運転資金として返済期間は融資資金の場合は15年間(据置2年)、運転資金の場合は5~7年以内(据置期間1年)となります。
又、金利については、大体1~3%の間としております。さらに、法人の場合は、代表者が連帯保証人になった場合、金利を0.1%低減することができます。

必要な書類の提出について

日本政策金融公庫の支店へ以下の書類を提出する必要があります。

  • ●借入計画書
  • ●創業計画書
  • ●見積書
  • ●履歴事項全部証明書

見積書については、設備投資分のみで店舗の物件契約書と内装工事の見積書を準備しましょう。又、物件契約書が事前に必要なので物件を決めた後でないと融資を受けることはできません。創業計画書については、後術します。
資料が揃った段階で担当審査員と面談を行います。その際にご自身の事業計画を明確に伝えましょう。既に飲食店を開業されている方は、店舗に訪問される場合がありますので注意してください。
融資が決定すれば必要な書類が送付されます。契約手続き完了後、口座に送金されます。

創業計画書について

創業計画書について以下記載のポイントを確認しましょう。

●創業の動機

最も重要だと思う開業についての目的を記入します。
例:これまでの業務経験を活かし、サラリーマンを対象とした立ち飲み形式の串かつ屋の開業を考えております。京橋駅前の○○ビルで最適な物件を見つけました。前職で関わった取引先で原材料を安く仕入れることも可能なので開業する決意をしました。

●事業の経験等

過去に事業を経営した経験など創業に至るまでの経歴を記入します。審査員に納得させるために重要な項目です。成功に導くための技術や経験を具体的に書くと良いでしょう。
例:店長として10年間飲食店の経営をしてきて商品やサービスの重要性や黒字化経営するためのマネジメントを学んでまいりました。
ポイントは、業務に関わることで何を学んだのかを明確に書くことが重要です。又、経営をやったことがない方でもアルバイトの経験でもあれば実績を書いたほうがよいでしょう。実績や経験年数を書くことが合否の判定に関わります。

●取り扱い商品・サービス

商品やサービス、セールスポイントを記入します。まずはどんな店舗で開業を考えているのか明確に書きます。そして商品やサービスが売り上げにどのように結びつくのか、他店との差別化ポイントなどを書きましょう。 例:サラリーマンが帰宅途中に気軽に立ち寄れる低価格の居酒屋を考えています。ドリンク・商品全て300円均一とします。過去に関わった仕入先から安く仕入れることができるので十分な利益を確保することが出来ます。

●取引先・取引条件

販売先や仕入先などを記入します。販売先はターゲットとしている客層を記入してください。仕入先は人脈の広さを見られるので出来る限り記入するようにしてください。当然ながら飲食店を運営するには1人では出来ません。従業員や仕入先業者などの人脈は重要なので審査員は判断のポイントとしています。

●必要な資金と調達方

設備資金と運転資金を記入します。評価のポイントとなる自己資金は最低でも開業資金の3~5割を確保していることが望ましいでしょう。親や友人から借り入れするよりも自分で貯蓄したお金の方が評価が高くなります。また、各種支払い状況も審査対象となります。公共料金や家賃、車のローンなどは必ずチェックされます。借りたお金を返金することは信頼構築の上で重要なので普段から期日までに支払いを行うようにしましょう。又、開業資金欄には内装工事費用を含めるようにしましょう。

●事業の見通し

売上高、売上原価、経費などを記入します。売上高は自分が出店する店舗と類似している店舗を調査し調査結果として十分な根拠を表記することが必要です。願望では納得させられません。実際に店に足を運び顧客単価や回転数をチェックしましょう。調査は費用が発生しますが、専門家にいらいするのも有効です。創業計画が完成になったら第三者に確認してもらい1人では気づかないことを指摘してもらいましょう。税理士や経営者に見てもらうと参考になる意見が多くより内容はブラッシュアップされます。この創業計画書は、大切な資産となるので大切に保管し定期的に見直し、方向性がずれていないかチェックしましょう。

創業計画書について

●事業の見通し

飲食店や店舗の新規経営者が対象となる制度です。
【条件】女性の方もしくは30才未満・55歳以上の方でこれから事業を始めるか、事業を始めて7年以内の方が対象となります。
【融資限度額】7200万円(うち運転資金は4800万円)
【返済期間】設備資金が15~20年以内(据置期間2年以内)、運転資金は5~7年以内(据置期間1年以内)
【金利】担保・保証人有の場合:1.3~2.5% 担保・保証人無しの場合:2.3~2.7%

●一般貸付(生活衛生貸付)

生活衛生を開業する方を対象とした制度です。飲食店経営者だけでなく、さまざまな業種で対象となります。
設備資金限定ですが、店舗の内装工事も含まれます。融資限度額は業種によって異なります。
【返済期間】13年以内(据置期間1年)
【金利】担保・保証人有:1.3~2.5% 担保・保証人無し:2.3~2.7%

日本政策金融公庫の融資制度(飲食店、店舗向け)

  新創業融資制度 女性、若者/シニア起業家支援資金 一般貸付(生活衛生貸付)
対象 新規の開業者が対象ですが、開業資金の1/3以上の自己資金が必要 女性又は30歳未満・55歳以上の新規開業者 飲食店など、生活衛生関係の事業者で投資資金として使用する事業者
融資限度 3000万円以内 7200万円(うち運転資金4800万円) 7200万円以内
返済期間 設備資金15年以内
運転資金5~7年以内
設備資金15年以内
運転資金5年以内
13年以内
金利 1~3% 担保あり1.3~2.5%
担保なし2.3~2.7%
担保あり1.3~2.5%
担保なし2.3~2.7%
担保・保証人 不要 どちらでも(金利が変わる) 相談可

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