居抜き店舗とは、前のテナントの内装や厨房設備、エアコンなど設備がそのまま残されている店舗のことをいいます。少しの手直しだけですぐに開業ができるほか、飲食店の場合では食器類などそのまま使える場合もあります。その一方で厨房機器だけや内装の一部だけが残っている状態でも居抜きという意味になるので、必ずしも店舗の看板を替えるだけですぐに営業できるとは限りません。店舗の明け渡しも通常の場合、テナントが退出する際に内装などの解体工事や原状回復工事を行いますが、居抜き店舗で同業種であれば、解体する無駄を省くことができます。
居抜き店舗のメリット
●初期投資を少なく抑えることができる
ライフラインの給水、排水、給排気、ガス、電気工事などの基礎工事がすでになされていたり家具(椅子、テーブル、カウンター)、エアコン、厨房機器が揃っている場合、初期投資を少なく抑えることができます。
●短期間で施工が可能
新たに工事する箇所が減るので工期を縮められます。
●以前の顧客を取り込める可能性がある
以前の店舗と同じ業態の場合、その時の常連顧客を取り込める場合があります。
居抜き店舗のデメリット
●イメージ通りのお店にしづらい
既に間取りが決まっているので自分のお店でも自由にレイアウトが出来ません、いくつかの制限と妥協をしなくてはいけません。
●意外なところで費用がかかる
建物の老朽化や機器関係が中古であるため、補修費用がかかったり、新築のときには設置できた室外機が出し入れ出来ないなどで余分に費用がかかる場合があります。
●前のお店の悪いイメージが残っている
以前のお店が撤退した理由は必ずはります。同じ場所に開業するので以前のお店の評判やイメージを引き継いでしまう場合があります。
●リースがかかっている場合がある
内装や設備、厨房機器などにリース契約を行っている場合があります。必ず事前の確認をしましょう。
居抜きの場合、様々なリスクがありますが、いずれにしても契約前に専門の人に見てもらい見かけ意外の出費が反省しないか判断してもらいましょう。
造作譲渡とは
退出するテナントが解体工事が省けるのであれば、設備などは無償で引き渡してくれることもありますが、高価な物や新しい物であれば、買い取ってほしいと言われることがあります。そこで、話し合いによる交渉で内装や設備、備品などを売買することを造作譲渡といいます。新しく入居するテナントは、オーナーとの間で賃貸着契約を行い、さらに前のテナントと造作譲渡契約を結ぶこととなります。